それでも馬は走る

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【馬番の考察】偶数と奇数の差(その1)

 ジェンティルドンナの勝利で幕を閉じた2014年の有馬記念。枠順の決定で、抽選で指名された馬の関係者が順に希望枠を選べるという、ドラフトのような仕組みが初めて採用されたことでも注目された。

 

 抽選を担当したヤンキース田中将大投手が、最初に選んだのがジェンティルドンナ。同馬は2枠4番を希望。2番めのトゥザワールドは3枠6番、3番目のヴィルシーナは、1枠2番に入り、内枠の偶数枠から埋まっていった。偶数枠の方が、奇数枠より有利と考えられているためだ。

 

 なぜ、偶数枠の方が、奇数枠より有利なのだろうか。原因の一つは、レース直前、ゲートに入る順番だ。通常は、まず1番、3番、5番、、、と奇数枠の馬が入り、次に2番、4番、6番、、、と偶数枠の馬が入る。つまり、奇数枠の馬の方が、狭いゲート内に閉じ込められている時間が長い。その分スタートまでにストレスがかかり、出遅れなどにつながりやすい、とされている。逆に、ゲートに入ってすぐにスタートできる偶数枠の馬は、スムーズに走りやすいというわけだ。

 

 では、馬券を買う際も、偶数枠を重視した方がよいのだろうか。直近5年の全レース(障害除く)の偶数枠、奇数枠の馬の成績を比べてみよう。

 

       偶数枠の馬  奇数枠の馬

 勝率     7.1%   6.7% 

 複勝率   21.1%  20.4%

 単勝回収率   76%    67%

 複勝回収率   78%    73%

 

 勝率と複勝率はあまり変わらないが、回収率は単勝で9ポイント、複勝で5ポイントの差がある。多くのファンが「偶数枠の方が有利」と認識しているにもかかわらず、回収率にこれだけ差があるのは、単純だが重要なことだ。活かさない手はないと思う。