それでも馬は走る

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桜花賞/ルージュバックは「前走マイル組圧倒的有利」の壁を打ち破れるか

いよいよ楽しみなクラシックシーズンが始まりますね。

この週末は桜花賞の予想で盛り上がりそうですが、今回は、前走距離をテーマに考えてみます。過去の結果をみると、わりと明確な傾向があるからです。

出走する18頭を、前走距離別にわけると
・今回短縮(前走が1800メートル) 4頭 
  ノットフォーマル、ルージュバック、アースライズ、ローデッド
・今回同距離(前走も1600メートル) 9頭
  コンテッサトゥーレ、トーセンラーク、レッツゴードンキ、クルミナル、
  アンドリエッテ、キャットコイン、テンダリーヴォイス、ココロノアイ、
  メイショウメイゲツ

・今回延長(前走が1400メートル) 5頭
  ムーンエクスプレス、ペルフィカ、クイーンズリング、レオパルディナ、
  クールホタルビ

です。

舞台となる阪神1600メートルの成績は、全体的に、今回同距離>今回短縮>今回延長という傾向があります。現在のコースになった2006年12月以降の成績をまとめると

・今回短縮(1633頭)
  勝率7% 連対率13% 複勝率20% 単勝回収率65% 複勝回収率74%
・今回同距離(1655頭) 
  勝率9% 連対率18% 複勝率26% 単勝回収率66% 複勝回収率82%
・今回延長(1777頭)
  勝率4% 連対率9% 複勝率13% 単勝回収率72% 複勝回収率67%

つまり、もっとも成績がいいのは前走もマイルを走った馬で、前走から延長になる馬の成績はふるいません(ただ、人気薄が結構勝っているため、単勝回収率は高くなっています)。

桜花賞を走る3歳牝馬に限ると、どうでしょうか。

・今回短縮(231頭)
  勝率6% 連対率11% 複勝率18% 単勝回収率31% 複勝回収率63%
・今回同距離(294頭)
  勝率9% 連対率20% 複勝率27% 単勝回収率90% 複勝回収率89%
・今回延長(328頭)
  勝率4% 連対率6% 複勝率9% 単勝回収率175% 複勝回収率76%

同距離>短縮>延長の傾向はさらに強まっています(延長の単勝回収率は、単勝万馬券が2回あるため跳ね上がっていますが)。阪神芝1600メートルを走る3歳牝馬は、前走マイル組を狙えば大損はない、といえるでしょう。

この傾向は、桜花賞でもあてはまります。というか、より強烈な偏りが出ています。今のコースで行われた2007~2014年の桜花賞を走った143頭の成績は

・今回短縮(12頭)(0,1,1,10)単勝回収率0% 複勝回収率45%
・今回同距離(76頭) (7,7,6,56) 単勝回収率49% 複勝回収率127%
・今回延長(55頭) (1,0,1,53) 単勝回収率78% 複勝回収率25%

8勝のうち7勝は同距離組。また、8年間の3着内馬24頭中20頭を同距離組が占めている計算です。

一方、短縮・延長組は合計67頭が挑んで(1,1,2,63)と、実に94%の馬が着外に終わっています(唯一勝利したのは2008年、前走1400メートルのフィリーズレビューから参戦したレジネッタ。12番人気でした)。

つまりデータ的にみると、桜花賞では、前走もマイルを走っている馬が圧倒的に有利なのです。今回1番人気になりそうなルージュバックは、きさらぎ賞(1800メートル)からの参戦で、今回短縮になります。ルージュバックが「同距離組有利」という壁を打ち破れるのかという点も、今年の見どころですね。