「馬券ライダー!ダブル!」が好調らしい。が…
愛読している競馬サイト「うまキュレ」で最近気になるのが、「馬券ライダー!ダブル!」というシリーズだ。
単勝2倍以上の1番人気の馬の単勝馬券を、100円、200円、400円、800円、、、と倍々で買うという追い上げ方式で、今のところ好調でプラス収支を達成している。
一見必勝法に見えるが、本当に有効だろうか?
結論から言うと、有効ではないと思う。有効ではないどころか、下手に真似をすると破綻しかねない危険な方法だ。「馬券ライダー!ダブル!」は、読み物として楽しむだけにした方が無難だろう。
なぜ危険なのかは、上記のコラム内でも触れられているが、負け続けると賭け金が際限なく増えるからだ。
1敗したら200円、2連敗したら400円、3連敗したら800円、4連敗したら1600円…といううちは可愛い。しかし、3200円、6400円、12800円、25600円、51200円、10万2400円、20万4800円と増えていき、12連敗で40万9600円、13連敗で81万9200 円、14連敗で163万8400円を賭けることになってしまう。
昔話で、殿様に「褒美として、毎日米粒を倍々にしてください」とお願いする話(彦一どんと殿さん)があるけれど、倍々ゲームは恐ろしいのだ。
1レースで163万円も賭けることは現実的ではないし、もし買えたとしても、オッズを自ら下げかねない(ローカルの午前中のレースだと、単勝馬券全体の売上が千数百万円のことが多い)。
では、1番人気がそんなに連敗することがありうるのか。
これが、大ありなのだ。
試しに、「単勝2倍以上の1番人気の馬」の勝率を過去5年で見てみると、27.1%だった(過去10年で見ても27,1%なので、安定した数値だ)。つまり72,9%の確率で負けることになる。
連敗する確率は、0,729の掛け算で出せる。
2連敗する確率 0.729の2乗 53%
3連敗する確率 0.729の3乗 39%
4連敗する確率 0.729の4乗 28%
(途中略)
10連敗する確率 0.729の10乗 4.2%
11連敗する確率 0.729の11乗 3.1%
12連敗する確率 0.729の12乗 2.3%
13連敗する確率 0.729の13乗 1.6%
14連敗する確率 0.729の14乗 1.1%
これでわかるとおり、10連敗して10万円の勝負をする事態が頻発するし、14連敗する確率も1%以上ある。
実際、最近の結果をざっと見るだけでも、2月21日(日)の京都競馬場では「単勝2倍以上の1番人気馬」が11頭出走して(0,3,3,5)と全敗しているし、1月11日(月)の中山競馬場でも10頭出走して(0,2,1,7)。あっさり連敗してしまうわけで、確率的ににいえば、倍々プッシュは必ずいつかは破綻する。しばらくは利益が出るかもしれないが、一度連敗してしまうと、それまでの利益が全部吹き飛んでしまうのだ。
少し考えればわかることだが、そんなに簡単な必勝法があれば、世界中のギャンブラーが大儲けできているわけで…。タネ銭に限りがある身としては、やはり地道に予想力を上げていくしかないなあ、と改めて思ったのでした。