単勝1倍台の馬とのつきあいかた
今日のAJCCは、単勝1.3倍に支持されたゴールドシップが伸びずに7着、というまさかの結果で終わった。岩田騎手は「勢いに乗れなかった」と振り返った。
このように、単勝1倍台の馬が負けることは、どの程度の確率であるのだろうか。また、そのような馬で勝負することは得策なのだろうか。
過去10年のJRA芝・ダートレースで、単勝1倍台の馬の成績をオッズ別にまとめてみた。
・1.0倍 5頭 勝率100% 複勝率100%/単回率100% 複回率100%
・1.1倍 105頭 勝率76% 複勝率94%/単回率83% 複回率97%
・1.2倍 231頭 勝率67% 複勝率90%/単回率80% 複回率93%
・1.3倍 422頭 勝率64% 複勝率90%/単回率83% 複回率95%
・1.4倍 648頭 勝率59% 複勝率88%/単回率81% 複回率94%
・1.5倍 929頭 勝率52% 複勝率84%/単回率78% 複回率91%
・1.6倍 1163頭 勝率49% 複勝率79%/単回率78% 複回率86%
・1.7倍 1377頭 勝率44% 複勝率78%/単回率74% 複回率86%
・1.8倍 1431頭 勝率43% 複勝率77%/単回率77% 複回率87%
・1.9倍 1400頭 勝率40% 複勝率73%/単回率75% 複回率84%
ちなみに2倍台から5倍台の馬は、
・2倍台 15942頭 勝率31% 複勝率66%/単回率77% 複回率84%
・3倍台 19645頭 勝率23% 複勝率56%/単回率80% 複回率83%
・4倍台 19188頭 勝率18% 複勝率49%/単回率79% 複回率81%
・5倍台 17078頭 勝率15% 複勝率43%/単回率79% 複回率81%
という感じだ。
「単勝1.0倍」というオッズはほとんど起こらない(1.0倍だと勝っても元返しで得にならない)が、近年の大きなレースでは、2005年菊花賞のディープインパクトの例がある。この時の同馬はきちんと勝っている。
この表を見て気づくことは「単勝1倍台の馬の場合、単勝より複勝で勝負した方が、回収率の観点では得策」ということだ。特に単勝オッズ1.5倍以下の場合、複勝回収率は90%を上回っている(表の赤字部分)
大きな理由の一つは、「本来は100円元返しなんだけど10円おまけして110円にするよ」というルールがあるためだと思う。
2014年は、複勝で482回もこのルールが適用されている。「たかが10円」と思うかもしれないが、金利にすると10%もあるわけで、活用しない手はないだろう。圧倒的人気馬の場合、「JRAプラス10」もあるし、単勝よりも複勝で勝負すべきなのだ。
とはいうものの、1.1倍の馬券で勝負するのかどうか、実際には悩むところだろう。1000円賭けても1100円にしかならない(損するよりはるかにましだが)。1万円なら1万1000円で電車代ぐらいにはなりそうだ。10万円なら1万円儲かるが、今日のゴールドシップのように競馬に絶対はない。「大金がゼロになる恐怖」にヒヤヒヤしながらレースを見ることになりそうだが、データ上は、人気馬の複勝に賭けるのは悪くない作戦だと思う。
(ただし「JRAプラス10」は、すべての場合に適用されるわけではなく、人気が集中しすぎると元返しの100円になることもあるので注意してください)